スペクトル解析アプローチでは、周波数の関数としてワイヤの応答を調べます。張力のかかったワイヤの共振周波数を決定しようとしているため、時間ではなく周波数の関数としてワイヤの応答を調べるのが合理的です。このアプローチでは、図 6 に示すように、サンプリングされた応答にフーリエ変換を適用して、時間領域から周波数領域に移動します。結果として得られるスペクトルのピーク応答の周波数を特定することで、ワイヤの共振周波数を特定しました。
データを周波数領域に変換することで、外部ノイズが存在する場合でもセンサーの共振周波数を判定できます。図 7 に示すように、スペクトル解析により、センサーの応答とノイズを区別できます。
図 8 に示すように、スペクトル解析により、外部ノイズがない場合でも測定精度が向上します。
バイブレーティングワイヤ センサーの製造元は通常、共振周波数の変化を 0.1 Hz まで解決したいと考えています。ノイズがない場合、時間領域分析では 0.01 Hz rms の測定精度を達成できます。スペクトル分析では 0.001 Hz rms の測定精度が達成され、大幅な改善が実現します。
センサーの応答を時間領域から周波数領域に変換すると、時間領域アプローチでは利用できない診断など、さらなる利点が得られます。図 9 に示すように、これには信号振幅、信号対雑音比、競合するノイズ周波数が含まれます。
これらの診断は、測定の検証、ノイズ源の理解と特定、長期的なセンサーの状態の判断など、さまざまな目的に役立ちます。これらの診断をそれぞれ理解することで、センサーをより長期間使用できるようになり、プロジェクトの期間中に交換するセンサーの数を大幅に削減できます。
極めて稀ではありますが、長期間のモニタリング(数十年)中にバイブレーティングワイヤ センサーの内部ワイヤ張力が緩んだ場合でも、当社の VSPECT 測定アプローチではピーク基本センサー周波数が取得され、バイブレーティングワイヤ振幅の変化に関係なく数十年にわたる精度と正確さが提供されます。
要約すると、VSPECT アプローチはノイズ耐性、測定解像度と再現性の向上、非常に長いケーブル長のセンサーの読み取り機能、バイブレーティングワイヤ センサーの読み取りに役立つ診断機能を提供します。これらはすべて、バイブレーティングワイヤ センサーに依存している人にとって大きな改善点です。